売却価格が希望価格より下回っている

離婚して家やマンションを売る場合に、希望している価格よりも実際の売却価格が下回っている場合はどのような問題が生じるのでしょうか?

1つはオーバーローンによって抵当権を解消できない点です。住宅ローンを組んで不動産を購入した場合、基本的にすべての契約で対象不動産が銀行の抵当に入ることになります。住宅ローンを払えなくなったり破産すると不動産が銀行によって差し押さえられて、売却したお金で返せなくなった住宅ローンを補てんするという仕組みになっています。

抵当権を解消できないのであれば不動産を売却することはできません。解決策としてはできるだけ高く売ってくれる不動産会社を見つけるか、住宅ローンをまとまったお金で返して抵当権を解消しなければいけません。どこか別のところでお金を借りることができればいいのですが、もう1つの問題が審査が厳しくなっているので金融機関から新たに借金ができなくなっている可能性が高いという点です。

このような場合には任意売却か銀行による差し押さえになります。任意売却とは行政書士などが間に入って銀行と交渉し、相場の7~8割程度の価格で買い取ってもらう形です。ただし一度住宅ローンの支払いを滞らせる必要があるためブラックリストに載ってしまったり、住宅やマンションを売却しても大きな借金だけが残るというデメリットがあります。

銀行による差し押さえは路線価を元に計算して買い取る形になりますが、相場のおよそ7割ぐらいの価値しか認めてもらえません。このような場合には離婚後の生活にもマイナスの影響が出てきますので、親族に借りるなどをしてできるだけ相場価格で売却できるように工夫することが大切です。

参考URL:【離婚による住宅ローン問題】オーバーローン編 スマイスターMagaZine